一戸建て住宅を買う人の8割は住宅ローンを組んで購入しています。

住宅ローンを組んで購入する理由は、単純に十分なお金が用意できないからです。

住宅ローンができたのは1970年代ごろになります。

今のようにたくさんの金融機関があったわけでなく、基本的に今よりもまだ借りにくかった時代です。

それでも住宅ローンを組むことができたという点においてはかなり進歩したと言えるでしょう。

7パーセントの人は住宅を手放している

さて、住宅ローンを組んで完済することができれば万々歳ですが、あるデータによれば 7パーセント程度を人は完済できずに住宅を手放す羽目になります。

普段は債務が支払えない人が表ざたに出ることはありませんが、中古住宅市場を見て回るといかに債務を支払うことができずに住宅を手放した人が多いことがわかるでしょう。

では、どのように住宅を手放すのでしょうか。

まず住宅ローン組んだ時には、毎月返済日があります。

返済日は自由に決めることができる場合とあらかじめ決まっている場合があります。

おおよそ、給料日が入る15日から20日、そして25日を返済日と定めている人が多いようです。

これらの返済日には引き落としでお金が支払われてきますが、中には期限が来ても支払いすることができない人もいます。

それは会社のリストラされたり、ボーナスの支払いがなくなったりした場合です。

住宅ローンの難しいところは長期的な計画を立てにくいところです。

およそ20年から35年にかけて住宅ローンを組みますが、それを先まで明確に予想できる人は少ないでしょう。

今勤めてる会社も、もしかしたら20年後にはすでにないかもしれないのです。

そのように考えると非常に不確定なものですが、その分金利が低く設定されています。

ここからわかることは、いくら先が不透明であっても無理をしない範囲で住宅ローンを組むことができれば、決して返済に追われることはないですし、住宅ローンを滞納してしまうこともないでしょう。

ですが、軽い気持ちで住宅を購入したり、先のことをあまり考えずにその時の資産の状態で住宅ローンを借りていたとすれば、いざという時に滞納してしまう可能性も高いです。

住宅ローンを滞納するとどうなるか?

住宅ローンを滞納するとどのようになるかといえば、最初の1か月から2ヶ月は督促が来るだけです。

ですが3カ月以上も滞納してしまうと、期限の利益を喪失してしまうことになります。

期限の利益の喪失を分かりやすく言うならば、分割払いができなくなるということです。

例えば3000万円のお金を借りていた場合、毎月10万円前後の支払いだけで済んでいるのは分割払いとして設定されているからです。

これを期限の利益といいます。

分割払いが設定されているのは債務者にも信頼があるからです。

ですが、3回目も滞納するほどになると、とうとう債務者にも信頼がなくなってきます。

その場合には期限の利益が喪失し、一括で残額が請求されます。

今まで分割払いですら支払えなかった人が、一括払いに支払えるわけがありません。

ふつうは期限の利益が喪失し、一括請求が来た場合にほぼ自己破産決定です。

住宅は競売され、賃貸住宅に引っ越さなければなりません。

ですが競売された場合、相場の5割から6割程度でしか売却されませんので、当然債権者としてもお金が戻ってこなくて困ります。

そこで任意売却を行います。

任意売却とは、競売と相反する考え方で住宅を売却する方法です。

競売は強制的に国が住宅を売買してしまう方法ですが、任意売却は債務者の意思で住宅を売却することです。

任意売却をする場合は、保証会社を選びます。

保証会社がまだ競売される前に一括でその住宅を買い取ります。

つまり一括請求されたときでも支払うことができるのです。

これによって担保権が消滅し、所有権は保証会社の方に移ります。

保証会社は不動産会社と組み、それを売却することによって収益を得ます。

少なくとも、競売の時に比べると売却益は高いですので、はるかに有利に債権を回収することができます。

回収した債権は、債権者に分配します。

もし債権者に分配しきれなかった場合、つまり残った場合には債務者がお金を手にすることができるのです。

債務者としては、競売をすると家も失い自己破産をする羽目になり、しばらくお金を借りいない状態が続きますが、任意売却を選ぶことで家は失うものの、うまくいけばお金が戻ってきます。

債権者からすれば、競売よりも、任意売却をした方がはるかに戻ってくるお金が多いため、損はありません。

(参考:任意売却の流れ

このように、住宅ローンを返済できなくなった場合は、国が強制的に競売行うことになります。

ですが、それよりも前に手を会社を決めて、保証会社がその住宅を買い取ることで、担保権を消滅させることができるのです。

担保権を消滅させれば競売にかけられず必要もなくより高いお金で任意に売却することができるという流れです。

ただ、例外的な、競売の方が高く売却される場合がありますのでその点は注意をしておきましょう。

最終更新日 2025年5月20日 by 10witnes