建設業界で働く女性が増えている

建設業界というと、男社会というイメージをお持ちの方がほとんどだと思います。

ハードな力仕事もあれば危険を伴う作業もあるなど女性が働きやすい職場とは言えない気がします。

先輩後輩など上下関係が厳しいという話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

実際、この業界で働く人のほとんどが男性なので、男社会という印象も大体当たっています。

しかし、男女雇用機会均等法が施行されてから数十年が経過し、男性が多くを占めていたあらゆる業界に女性が進出してきています。

体力や筋力を比べれば男性の方が上ですが、仕事の丁寧さや細やかさ、美的センスなど女性ならではの特性を活かせる仕事も少なくありません。

管理やシステムなど力仕事を必要としない職種もあります。

その結果、徐々にではありますが、建設業界で働く女性の数も増増えています。

女性の職人や技術者もいますし、建設会社で現場監督を務める立場になっている人もいます。

管理職の数はまだまだ多いとは言えませんが、着実に増加しました。

一戸建て住宅や商業施設の建設の際には、女性目線の空間づくりが注目されている

一戸建て住宅や商業施設の建設の際には、女性目線の空間づくりが注目されています。

収納のしやすさや機能性、デザイン性など普段から家事をすることが多い女性の感性が役立つからです。

細かい部分にも目が行き届くので、満足度の高い住宅を建設することができます。

顧客とコミュニケーションに役立つこともある

それから顧客とコミュニケーションに役立つこともあります。

打ち合わせで男性ばかり何人も来られると圧迫感を感じるけれど、女性が同席しいると気軽に相談しやすいという顧客もいます。

もちろん、女性だからといって全員が美的センスがあるわけでもありませんし、コミュニケーション能力が高いとも限りません。

男性の中にもセンスの良い人はいますし、顧客としっかりコミュニケーションがとれる人もいます。

性別の差というよりは個人の資質によって違うことも多くあります。

ただ、この業界で活躍している女性が増えていることは間違いありません。

では、女性が建設業界で働く上でどんな課題があるのでしょうか。

真っ先に思いつくのはセクハラやパワハラといった問題

まず、真っ先に思いつくのはセクハラやパワハラといった問題です。

セクハラやパワハラの問題はどこの業界にもあることなので建設業界だけに限ったものではありませんが、全体的に女性の数が少ない分相談できる人がいないといったことが挙げられます。

女性管理職がいないという会社も多いですし、相談窓口を設けていない会社もあります。

男性上司の方でも部下の女性をどう扱ったらいいか分からないといったこともあるようです。

セクハラやパワハラを防止するには、会社に相談窓口を設けたり、研修などで社員に適切な教育を実施するといった対策を行うことが重要になります。

それから出産や育児の問題もあります。

女性のキャリアでは、出産や育児は避けては通れない問題です。

出産で一時的に会社を離れなければいけないこともありますし、妊娠中も今までと同じような働き方ができないこともあります。

また、出産してからも育児とどうやって仕事を両立させるのかが大きな課題になります。

普段は保育園に預けていても子供が熱を出したりすれば休まなければいけないこともありますし、迎えに行かなければならないので残業ができないといったこともあります。

共働き家庭でも家事や育児の負担が女性にかかることが多く、結局仕事を休むのは父親ではなく母親になるという家庭も多いでしょう。

育児と仕事と両立できずに退職を決断しなければならない人もいます。

女性の活躍を推進するなら、妊娠や出産を経てもキャリアアップできるようにどうサポートしていくかが大きな課題となります。

労働環境の問題がある

その他にも労働環境の問題があります。

例えば、建設現場に女性用のトイレが無いといったこともあり、就業中にトイレをどうするのかが悩みの種という人も実際にいました。

作業服や安全靴などは女性用のサイズや色がないといったこともありましたが、最近では種類も豊富になっています。

日本では社会全体で急激な少子高齢化が進行しており、労働人口そのものが減っています。

そのため多くの業界で人手不足が叫ばれており、建設業界もその例外ではありません。

若い世代が少なく、熟練した職人や技術者が減っていくという状況になっています。

建設業界は仕事がハードで、危険な作業もあるなど敬遠されがちです。

慢性的な人手不足が続くと、それによって提供しているサービスの質が低下し、施工不良を招いてしまうこともあります。

また、マンパワーが足りないことで労働環境の悪化を招き、それを嫌った若い世代が離職するという悪循環に陥ってしまうこともあります。

ですから人手不足を補う意味でも女性の活用は業界にとって必要なことです。

長時間労働を無くして、福利厚生を充実させるなど労働環境を改善することも離職を防ぐことにつながります。

メンタルヘルスを取り入れることで、定着率をアップさせるという取り組みを導入している会社もあります。

最終更新日 2025年5月20日 by 10witnes