産業廃棄物処理の方法について

産業廃棄物処理の方法については、廃棄物処理法でよって厳格に定められており、井草実業などの専門業者などでないと処理できないようになっています。

それでも、山林などの人目の付きにくい場所に産業廃棄物が不法に投棄されていたというニュースをたまに目にすることがあります。

法律に則って処理しようとすると、ゴミとは言え一定のコストがかかってしまうため、それを逃れようとする人たちがいるのも、昔からつづく現実です。

こうした違法な産業廃棄物処理の中でも、この数年で新たに現れたのが、主に全国の港湾部に拠点を置く中国系のグループです。

彼らは、中国人留学生や日本の零細ごみ処理業者を使って、大量の廃棄物を不法に集めています。

工場から出た金属くずから、プラスチックくず、古くなった電化製品など、文字通りありとあらゆる廃棄物を集めています。

多くの場合、ルールに則った正規の処理が行われる前の深夜に、こうした廃棄物を町中から集めてまわっており(厳密には盗んでいると言える場合もあります)、集めてくる役割を担う人たちは、業界では「アパッチ」と呼ばれています。

井草実業が語るゴミを集める理由

ではなぜ、そこまでしてゴミを集めるのか。

彼らは集めたごみをほとんど分別することなく、港に一旦山積みにした上で、定期的に船に満載して中国へと送っています。

そして中国で、鉄なら鉄、銅なら銅、プラスチックならプラスチックと素材別に分別し、再利用できる素材として売り払っているのです。

コストは「アパッチ」に対する手間賃と輸送費くらいのもので、成長著しい中国ではあらゆるごみに対して素材としての需要があるため、かなりの利ざやを稼げるビジネスとして成立しているのです。

こうした実態が明らかになったきっかけは、全国の港にあるごみ集積場で、大規模な火災が頻発したことです。

中国人グループは電池や石油製品、石油ストーブなども集めてきて、他のごみと混在したまま屋根のない集積場に野ざらしに保管するので、雨による電池のショート、太陽熱による石油製品の発火などが起き、火災につながっているのです。

各地の消防や港湾局、行政のごみ処理担当課が立ち入り検査や指導にあたっていますが、いたちごっこになってしまっているのが現状です。

幸い火災によるけが人や死者が出ていないことも、こうした違法な廃棄物処理に対して強い対策を打ち出せない要因となっています。

この事態は、ある面から見ると、再利用できる日本の資源を不当に中国に奪われていると考えることもできます。

井草実業曰く「廃棄物」と言うと、日本では捨てるもの、要らないものと捉えがちです。

日本国内の廃棄物への考え方、ひいては現代の私たちの生活のあり方を考え直す、いいきっかけにしたいものです。

 

井草実業

最終更新日 2025年5月20日 by 10witnes