金(ゴールド)投資は、自然災害・戦争やテロ・経済危機などの備えとして注目を集めています。
貴金属などの商品は所有していても利息や配当が付くことはありませんが、金を保有することには有価証券や外貨などと比べて多くのメリットがあります。

 

先進国では年率2%程度の経済成長が好ましい

先進国では年率2%程度の経済成長が好ましいとされており、経済が健全な状態であれば毎年1~2%ほど物価が上昇します。
物価が上昇すると貨幣が不足するので、中央銀行が通貨の発行量を増やして対応します。
景気が良いと経済成長率が高くなりますが、物価が上昇することでより多くの通貨が発行されます。
中央銀行が通貨の発行量を増やすと、モノやサービスの価値に対して相対的にお金の価値が下がることになります。
富を安全に保管する方法のひとつとして銀行の預貯金やタンス預金などがありますが、長い目で見ると貨幣の価値は目減りしてしまいます。

法定通貨は、中央銀行や財政当局の意向により大量に刷ることができます。
これに対して限られた天然資源である金(ゴールド)は、政府や中央銀行といえども生産量を増やすことができません。
貴金属は毎年新たに鉱山から採掘されて生産が続けられていますが、産業分野で多く消費されています。
金や銀といった貴金属は宝飾品の他にもスマートフォンなどのモバイル機器にも多く用いられていることから、それ自体に価値を持ちます。

 

ゴールドの価値

物価が上昇して貨幣価値が下落したとしても、金(ゴールド)も一緒に値上がりします。
これに対して法定通貨は政府や中央銀行が人為的に価値を認めたものなので、政府や財務当局が信用を失ってしまうと単なる紙切れになってしまうでしょう。
ちなみに2020年2月頃から世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大したことを受けて日本政府も積極的に財政出動を実施していますが、原資の大半は新規に国債を発行して賄われています。
他の国についても似たような状況で、法定通貨の流通量が急激に増加しています。
新型コロナウイルス感染の拡大を抑止する目的で人々の活動が自粛してモノやサービスの生産量が減少している状況で大量の通貨が発行されていることから、預貯金の価値が目減りすることが予想できるでしょう。
法定通貨の流通量が増加して貨幣価値が下落している場合でも、実物資産である金(ゴールド)の形で資産運用を行うことで保有する資産の価値を保つことができるというメリットがあります。

 

個人が金投資を行う場合

個人が金投資を行う場合には、いくつかの方法が考えられます。
利息や配当金が付かない金投資の基本は非常にシンプルで、安く買って高く売ることです。
金を売買する方法はさまざまで、目的に合った方法を選ぶことが大切です。
金投資の方法として、上場投資信託(金ETF)・貴金属を扱う会社から地金(インゴット)を購入する・海外で発行される記念金貨を購入する・宗教用具(金製の仏具など)を購入する・金積立、などが考えられます。
いずれの方法も金の国際取引価格に連動して売買が行われるので、インフレ対策に有効です。
ただし、相場の下落リスクの有無や手数料などの面で違いがあります。
所有する金を安全に自宅に保管しておきたい場合は、地金・金貨・仏具などの金製品を購入する方法がおすすめです。
これらの方法は会社の信頼性に依存しないので、国の経済が破たんして銀行や証券会社が倒産したとしても自分の資産を安全に守ることができるでしょう。
金貨はプレミア価格が上乗せされる場合がありますが、美しいデザインを見て楽しむこともできます。
金製の仏具を購入すれば実用的に使用できるだけでなく、相続税対策にもなるというメリットがあります。
宗教活動に使用している物品については相続税の課税対象外なので、税金対策に有効です。
ただし実物を保管する場合は盗難リスクがあり、消費税や多くの手数料を負担しなければならないというデメリットもあります。

 

上場投資信託(金ETF)を利用する

手元に実物を保管せずに売買したい方は、上場投資信託(金ETF)を利用する方法があります。
これは金価格に連動する証券なので、実質的に金を保有するのと同じです。
少ない手数料で取引ができ、証券会社の口座で保管することができます。
ETF取引をすれば自宅の金庫で大量の金を保有する必要がありませんが、証券会社が倒産すると換金ができなくなる恐れがあります。
実物やETFを購入する場合は、いずれも相場下落のリスクがあることも留意しておきましょう。
相場下落のリスクを回避することができる方法は、金(ゴールド)積立を利用することです。
毎月一定額の金を購入し続けることで、短期的な価格下落の影響を最小限に抑えることができます。
定期積立はドルコスト平均法とも呼ばれ、安全志向の人におすすめの方法です。
一部の銀行や貴金属を扱う会社などが個人向けに金積立のサービスを実施していますが、積立後の扱いが異なるので注意が必要です。

 

まとめ

銀行を利用すると、積立が終了した後に売却して現金の形で受け取ることになります。
これに対して株式会社ゴールドリンクなどの貴金属を扱う会社のゴールド積立サービスを利用すれば、現物(地金や金製品)を直接受け取ることが可能です。
 

最終更新日 2025年5月20日 by 10witnes